Twitter スクレイピングは規約違反?違法性と判例 2026
X(旧 Twitter)の規約はスクレイピングを禁止しています。2026 年 10 月発効の規約の原文、米国の 5 つの判例、ログインと用途で変わるリスクを整理しました。
Tarun Khatri
公開 · 更新 · 約 7 分で読めます · Read in English
Twitter のスクレイピングは規約で禁止されていて、米国で犯罪になる可能性は低くても、訴えられることはあります。
X(旧 Twitter)のポスト(ツイート)を集めたい開発者、研究者、マーケター向けです。X の規約の原文、日付つきの 5 つの判例、用途ごとのリスクをまとめました。
2026 年 10 月時点の X の規約で、いちばん大事な一文を、英語の原文と私たちの訳で示します。
crawling or scraping the Services in any form, for any purpose
without our prior written consent is expressly prohibited
訳:当社の事前の書面による同意なく、いかなる形、いかなる目的でも、
本サービスをクロールまたはスクレイピングすることは明示的に禁止されています
私たちは X の公開データを読む有料 API、Weir を運営しているので、その前提で読んでください。法的な助言ではなく、日本の法律にも触れません。
Twitter スクレイピングは規約違反?X が禁止していること
X の利用規約は、スクレイピングをはっきり禁じています。引用は英語版からの私たちの訳です。
2026 年 10 月 9 日発効の版では、「X の書面による明示的な許可なく」スクレイピングはできないとされています。
同じ規約は、「当社が課す技術的な制限を回避しようとすること」も禁じています。大量の取得には、金額まで定めています。
賠償の条項は、24 時間に 100 万件を超えるポストの「リクエスト、表示、アクセス」が対象です。EU、EFTA 加盟国、英国の利用者には、ユーロ建ての版があります。
禁止を和らげる一句もあります。「適用法で求められる場合を除き」という前置きで、アクセスを求める法律があれば、その余地が残ります。
つまり X の規約違反は、まず契約の問題です。契約違反の訴えは、お金や差し止めを求める裁判で、刑事の罪ではありません。
X のスクレイピングをめぐる米国の判例
米国の 5 つの裁判を、古い順に並べました。
| 裁判 | 年 | 裁判所 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Van Buren v. US | 2021 | 連邦最高裁 | 反ハッキング法を狭く解釈 |
| hiQ v. LinkedIn | 2022 | 控訴裁、地裁 | hiQ が契約で敗れ、支払い |
| Meta v. Bright Data | 2024 | 地裁 | ログアウトでの取得は違反なし |
| X v. CCDH | 2024 | 地裁 | SLAPP として却下 |
| X v. Bright Data | 2025 | 地裁 | 和解、条件は非公開 |
控訴裁は第 9 巡回区、地裁はすべてカリフォルニア州北部地区です。
- Van Buren(2021 年 6 月):連邦最高裁は、反ハッキング法 CFAA を「ゲートが開いているか、閉じているか」の問題と読みました。サイトの規約でゲートを閉じられるかは、脚注で判断を保留しました。
- hiQ v. LinkedIn(2022 年):第 9 巡回区は、公開プロフィールの取得が CFAA に反するかに「重大な疑問」があるとしました。のちに地裁が、スクレイピングと偽アカウントによる LinkedIn の規約違反を認め、hiQ は $500,000 の判決に同意しました。
- Meta v. Bright Data(2024 年 1 月):エドワード・チェン判事は、Meta の規約がログアウト状態での取得を禁じていないと判断し、Meta は訴えを取り下げました。
- X v. CCDH(2024 年 3 月):X は、調査レポートのために X をスクレイピングした非営利団体を訴えました。裁判所は、発言を罰するための訴訟、つまり SLAPP として退けました。X は控訴しましたが、結末は確認できませんでした。
- X v. Bright Data(2024〜2025 年):2024 年 5 月、ウィリアム・アルサップ判事は著作権法の優先を理由に、X のスクレイピングの主張を退けました。同年 11 月には、サーバーに負担をかけたという主張の復活を認めました。両者は 2025 年 6 月に和解しました。
ログインしてスクレイピングすると、何が変わる?
これらの判例で最もはっきりした線は、ログインです。
公開ページは、Van Buren の言葉でいえば、開いているゲートです。
ログインすると、3 つのことが変わります。
- 規約に同意しています。 ログイン済みのアカウントは明確な契約です。Meta の敗訴も、Bright Data がログアウト状態だった点で決まりました。
- 偽アカウントは不利に働きます。 hiQ が使っていたことが、LinkedIn の勝訴を助けました。
- 鍵アカウントのポストは公開されていません。 読むことは、X が閉じたゲートを越えることです。
ブロックをかわすのは、別のリスクです。X の規約ははっきり禁じていて、CFAA の「ゲートが閉じている」側に近づきます。私たちは、その方法を説明しません。
研究やビジネス、AI のためのスクレイピングは違法?
どう取ったかと同じくらい、何に使うかでリスクは変わります。次の表は弁護士と話すための出発点で、判断ではありません。
| 用途 | 主なリスク | より安全な方法 |
|---|---|---|
| 手で数件読む | とても低い | X 自身の検索 |
| 学術研究 | 規約、倫理審査 | 研究向けアクセス、少量 |
| ブランドのモニタリング | 規約、大量取得の賠償 | 公式か有料の API |
| ポストの転売 | 契約、著作権 | X のライセンス |
| AI モデルの学習 | 規約、著作権、プライバシー | まず弁護士に相談 |
| 特定の人物のプロファイリング | プライバシー、つきまといの法律 | しない |
見落とされやすいのが、個人情報の法律です。
2023 年 8 月、12 のプライバシー当局が共同声明を出しました。公開された個人情報も、多くの地域で「データ保護とプライバシーの法律の対象」だという内容です。英国、カナダ、オーストラリアも加わっています。
EU では、公開のポストでも、集めた相手の名前とポストに GDPR が及びます。研究なら、Twitter データを学術研究に使う方法(英語)に、EU の研究向けの X のルートと倫理のチェックリストがあります。
外部の API を使えば、規約の問題はなくなる?
外部の API に替えても、X の規約の問題はなくなりません。
私たちの Weir は、X の公開ポストとプロフィールを代わりに読み、結果の件数で課金する API です。
- 公開データだけを読みます。 鍵アカウントや DM は読みません。
- 読み取り専用です。 投稿はしません。
- あなたの X アカウントは要りません。 API キーだけで呼べます。
Weir は X の公認でも提携先でもないので、使える範囲が変わることがあります。
私たちの利用規約(英語)は、取得した内容の使い方を利用者の責任としています。利用ポリシー(英語)は、個人のプロファイリングを禁じています。
X が認めている方法は、X 自身の API です。X の料金ページでは、2026 年 10 月時点でポスト 1 件の読み取りが $0.005 です。料金の全体は X API の料金 にまとめました。
Weir が向かないケース
- X の書面の許可が必要:出せるのは X だけで、API か契約を通じてです。
- 会社がライセンス済みのデータを求めている:第三者には用意できません。
- 商用の AI モデルを学習させたい:何かを集める前に、法的な助言を受けてください。
- ある個人の投稿やいいねを追いたい:どの道具でも、やめてください。
よくある質問
ツイッターのスクレイピングは違法ですか?
米国では Van Buren と hiQ の判決以降、公開ポストの取得が犯罪になる可能性は低いとみられます。ただし X の規約が禁じているので、契約違反で訴えられることはあります。GDPR なども及びます。日本での扱いは、弁護士に確かめてください。
X にスクレイピングで訴えられることはありますか?
あります。X は 2023 年に Bright Data を、さらに非営利団体の CCDH を訴え、どちらも最初は主な主張で敗れました。Bright Data との訴訟は 2025 年 6 月に和解し、条件は公表されていません。
公開データのスクレイピングは違法ですか?
これまでの判例では、米国でそれだけで違法とはされていません。裁判所は、どう入ったか、ログインしていたか、データを何に使ったかを見ます。EU と英国では、個人データのルールが加わります。
X はスクレイピングを禁止していますか?
はい。X の規約は、事前の書面による同意のないクロールやスクレイピングを、形や目的を問わず禁じています。X が認める方法は有料の API で、2026 年 10 月時点でポスト 1 件の読み取りは $0.005 です。
参考資料
いずれも英語の資料で、2026 年 10 月 26 日に確認しました。
- X Terms of Service(英語、10 月 9 日発効、Wayback の 10 月 17 日版):https://web.archive.org/web/20261017135543/https://x.com/en/tos
- X API pricing(英語):https://docs.x.com/x-api/getting-started/pricing
- Van Buren v. United States(英語、2021 年 6 月 3 日判決):https://www.supremecourt.gov/opinions/20pdf/19-783_k53l.pdf
- Proskauer, hiQ v. LinkedIn(英語、2022 年 12 月 8 日):https://www.proskauer.com/blog/hiq-and-linkedin-reach-proposed-settlement-in-landmark-scraping-case
- Farella Braun + Martel, Meta v. Bright Data(英語、2024 年 1 月):https://www.fbm.com/technology/publications/major-decision-affects-law-of-scraping-and-online-data-collection-meta-platforms-v-bright-data/
- MediaPost, Meta の取り下げ(英語、2024 年 3 月 1 日):https://www.mediapost.com/publications/article/393996/None
- Sheppard Mullin, X の Bright Data 提訴(英語、2023 年 7 月):https://www.sheppard.com/insights/blogs/scraping-the-bottom-of-the-barrel-x-corp-sues-bright-data-over-site-scraping
- EFF, X v. CCDH の控訴(英語、2024 年 11 月 7 日):https://www.eff.org/deeplinks/2024/11/eff-court-reject-xs-effort-revive-speech-chilling-lawsuit-against-nonprofit
- Pearl Cohen, X v. Bright Data の棄却(英語、2024 年 6 月 2 日):https://www.pearlcohen.com/federal-court-dismisses-xs-data-scraping-claims/
- MediaPost, サーバー負担の主張の復活(英語、2024 年 11 月 29 日):https://www.mediapost.com/publications/article/401510/x-corp-can-revive-scraping-battle-with-bright-dat.html
- Bloomberg Law, X と Bright Data の和解(英語、2025 年 6 月 23 日):https://news.bloomberglaw.com/ip-law/musks-x-settles-data-scraping-dispute-against-israeli-data-firm
- 12 のプライバシー当局の共同声明(英語、2023 年 8 月 24 日):https://www.priv.gc.ca/en/opc-news/speeches-and-statements/2023/js-dc_20230824/
- Weir terms、acceptable use policy(英語):https://weirapp.io/terms 、https://weirapp.io/acceptable-use